デジタル円とは
デジタル円とは、日本銀行が発行する法定通貨の円をデジタル化したものです。現金と同じように使える電子的なお金で、中央銀行の債務として発行されます。デジタル円は、現在実証実験や制度設計の検討が進められていますが、具体的な導入予定はありません。
デジタル円のメリットとデメリット
デジタル円には、以下のようなメリットとデメリットが考えられます。
メリット
現金と同じように使えるため、決済の利便性や効率性が向上する
現金の管理コストやリスクが削減される
金融政策の効果が高まる
国際的な競争力が強化される
デメリット
民間銀行の預金や資金仲介への影響が懸念される
プライバシーやセキュリティの確保が課題となる
デジタルデバイドやデジタルリテラシーの問題が生じる
デジタル円の需要や供給のコントロールが難しくなる
デジタル円と株の関係
デジタル円の導入は、株式市場にも影響を与える可能性があります。以下に、いくつかの観点からその関係を考えてみます。
デジタル円の発行により、金融政策の効果が高まるとすれば、株価にも影響が出ると考えられます。例えば、デジタル円の利率をマイナスにすることで、投資や消費を促進し、景気や株価を上昇させることができるかもしれません。
デジタル円の導入は、デジタル通貨関連の事業や技術に対する需要や注目度を高めると考えられます。そのため、デジタル通貨関連の銘柄は、デジタル円の動向に左右されやすくなるかもしれません。
デジタル円の導入は、現金の流通量や需要を減らすと考えられます。そのため、現金の管理や運搬に関わる事業や銘柄は、デジタル円の普及によって業績が悪化する可能性があります。
デジタル通貨関連銘柄の一覧
デジタル通貨関連の事業や技術に関わる銘柄の一覧を、以下の表に示します。
銘柄名 | コード | 概要 |
---|---|---|
インターネットイニシアティブ | 3774 | グループ会社のディーカレットDCPが民間発行デジタル通貨の実現に向けて事業に専念している |
三菱UFJフィナンシャル・グループ | 8306 | ブロックチェーンを活用したデジタル証券プラットフォーム「Progmat」の運用を行っている |
三井住友フィナンシャルグループ | 8316 | SBIHDと共同で「大阪デジタルエクスチェンジ」を設立している |
みずほフィナンシャルグループ | 8411 | みずほ銀行が主体となったデジタル通貨を開発。QRコードを使ったスマホ決済サービス「Jコインペイ」を提供している |
日本電信電話 | 9432 | グループ会社のNTT東日本が北海道の富良野市でデジタル地域通貨を使った実証実験を行っている |
KDDI | 9433 | 凸版印刷、NTTドコモ、HashPort、ディーカレットとデジタル通貨フォーラムNFT分科会を設立している |
JR東日本 | 9020 | 電子マネー「Suica」に注力している |
日立製作所 | 6501 | 日本銀行が実施するCBDCの技術面での基本事項に関する検証で、実験環境構築作業などにかかる業務委託先として選定されている |
ヤマトホールディングス | 9064 | 宅配便最大手。日本におけるデジタル通貨の実用性を検討する「デジタル通貨フォーラム」に参加している |
セブン銀行 | 8410 | セブンイレブン店舗内などでATMを展開。ディーカレットが事務局となって開催されたデジタル通貨勉強会に参加 |
イオン | 8267 | 総合小売大手。同社も「デジタル通貨フォーラム」に参加しているメンバー |
シグマクシス | 6088 | コンサルティング事業として企業のデジタルトランスフォーメーション戦略策定、新規事業やサービス開発などを支援するプロジェクト等を行っている |