投資信託とETFの比較
投資信託とETF(上場投資信託)は、どちらも複数の証券を一つにまとめて投資する仕組みですが、運用方法や特徴に違いがあります。
運用方法の違い
■投資信託は、信託銀行や証券会社などの運用会社がファンドマネージャーを通じて運用するのに対し、ETFは証券取引所で売買される上場投資信託であり、一定の基準に従ってインデックスなどと連動するように設計されています。
特徴の違い
■投資信託は基準価額が1日1回決まり、購入時には手数料がかかりますが、販売手数料がないノーロード型のものもあります。一方、ETFは株式と同様に取引所で売買されるため、時価と需要と供給によって価格が変動し、買付手数料がかかります。
投資家の投資スタイルやリスク許容度、取引頻度などに応じて適切な選択が必要です。詳細な比較については、専門家のアドバイスを受けることをお勧めします。
投資信託とETFの比較 もくじ
1. 上場しているか
2. 価格の変動タイミング
3. 指値注文ができるか
4. 種類の多さ
5. 信託報酬(保有期間中の手数料)
上場しているか
投資信託とETFの比較における「上場しているか」について詳しく解説します。
ETFの特徴
■ETFは「Exchange Traded Fund」の頭文字を合わせた言葉で、日本語では「上場投資信託」と呼ばれます。
■取引所に上場しているため、個別銘柄を取引するように購入・売却できる金融商品です。
■市場の立会時間内に取引を行うことができ、価格は株式と同様にリアルタイムで値動きします。
投資信託の特徴
■一般的な投資信託は上場しておらず、証券会社や銀行などの金融機関の窓口で購入します。
■市場の立会時間とは関係なく、金融機関が定める時間で取引が可能です。
価格の変動タイミング
■ETFは株式と同様に市場が開いている時間でリアルタイムに価格が変動しますが、投資信託は価格の更新が1日1回のみです。
指値注文
■ETFではリアルタイムで指値注文や成行注文が可能ですが、投資信託は1日1回の基準価額で取引が行われます。
取扱い場所
■ETFは証券会社を通じて証券取引所に取引の注文を出しますが、投資信託は金融機関の窓口で取引されます。
上場しているかどうかの違いにより、ETFはリアルタイムで取引が行える特徴がありますが、一方で投資信託は1日1回の取引となる点が異なります。投資家は自身の投資スタイルやニーズに合わせて適切な選択をする必要があります。
価格の変動タイミング
投資信託とETFの比較における「価格の変動タイミング」について詳しく解説します。
投資信託
■投資信託は一般的に1日1回基準価額が更新されます。
■注文時点では正確な取引価格が分からず、約定タイミングがリアルタイムではないため注意が必要です。
■基準価額は通常、取引日の終値や翌営業日の始値に反映されます。
ETF
■ETFは株式と同様に市場が開いている間はリアルタイムで値動きがあります。
■市場の取引時間内であれば、リアルタイムに価格が変動し、購入時に正確な取引価格が分かります。
投資信託は1日1回基準価額が更新されるため、約定タイミングがリアルタイムではない点に注意が必要です。一方、ETFは市場の取引時間内でリアルタイムに価格が変動し、購入時に正確な取引価格が分かる特徴があります。投資家は取引のタイミングや価格の可視性を考慮して適切な選択をする必要があります。
指値注文ができるか
投資信託とETFの比較における「指値注文ができるか」について詳しく解説します。
投資信託
■投資信託では、基準価額が1日1回決まるため、指値注文をすることはできません。
■購入時点での価格がわからないため、約定価格がリアルタイムで確定しない「ブラインド方式」となります。
ETF
■ETFではリアルタイムで取引が行えるため、指値注文や成行注文が可能です。
■希望する価格やタイミングで売買することができ、取引所の取引時間内で自動的に指定した値段で取引が行われます。
投資信託では基準価額の決定タイミングから指値注文ができず、約定価格のリアルタイム確定が難しいです。一方、ETFは取引所の取引時間内で指値注文や成行注文が可能であり、希望する価格で取引が行える特徴があります。投資家は取引スタイルやニーズに合わせて適切な選択をする必要があります。
種類の多さ
投資信託とETFの比較における「種類の多さ」について、以下の情報があります。
投資信託とETFの種類の多さに関する情報は一部矛盾していますが、一般的には次のような特徴があります。
投資信託
■一般的には約6,000銘柄の投資信託が存在し、幅広い分野に投資可能です。
■投資信託にはアクティブファンドと呼ばれる運用会社のファンドマネージャーが選別した銘柄に投資するものや、インデックスファンドと呼ばれる特定の指数に連動するものなどがあります。
ETF
■ETFは約250銘柄程度が存在するとされています。
■ETFは主に経済指数に連動するものが多く、特定の市場やセクター、国・地域などに特化したものがあります。
一般的に投資信託の方がETFよりも多くの銘柄が存在し、幅広い分野に投資することができます。投資家は自身の投資目標やリスク許容度に合わせて適切な選択をする必要があります。
信託報酬(保有期間中の手数料)
投資信託とETFの比較において、信託報酬は重要な要素の一つです。信託報酬は、運用会社に支払う手数料のことであり、保有期間中にかかるコストを示します。一般に、投資信託の信託報酬はETFよりも高い傾向がありますが、具体的な比較には各商品の特性によって異なる部分もあります。
投資信託の場合、信託報酬には「手数料率」と「信託報酬率」の2つがあります。手数料率は、投資信託を購入する際に支払う初回費用のことであり、一般には購入額の一部が手数料として引かれます。一方、信託報酬率は運用会社に支払う信託報酬の年率を示し、運用資産残高に応じて支払われます。
一方、ETFの場合、信託報酬は「管理費用率」で表されます。管理費用率は基準価格に対する年間の運用会社への報酬率を示し、投資家に直接請求されるのではなく、基準価格から天引きされます。
したがって、投資信託とETFの信託報酬を比較する際には、手数料率や管理費用率だけでなく、実際の運用成績や税金など総合的な視点から検討することが重要です。投資家は自身の投資目的やリスク許容度に合った商品を選択することが大切です。
投資初心者に向いてるのは
投資初心者に向いてるのは、投資信託かETFかについては、個々人の投資目的やリスク許容度によって異なりますが、一般的には以下のような特徴があります。
投資信託
■リアルタイムでの取引ができないため、短期的な売買を行いたい人には向いていません。
■リスクを分散させたいが、自分で銘柄選定をするのが難しい投資初心者に向いています。
ETF
■リアルタイムで売買が可能なため、短期的な売買を行いたい投資初心者に向いています。
■低いコストで分散投資ができるため、少額から始めたい投資初心者にも向いています。
投資初心者が選択する際には、自身の投資目的やリスク許容度を考慮し、それぞれの特徴を理解した上で選択することが重要です。また、投資に関する専門家であるIFA(独立系財務アドバイザー)に相談することも一つの方法です。